アラフォー、無職、うつ病主夫の “終わりなき旅”

うつ(気分変調症)により無職となり、主夫として生活する博士くんが発信する日々のあれこれ。

小説「一億円のさようなら」のうつ病エピソードに、グググッ!

こんにちは、博士くんです。

白石一文の「一億円のさようなら」という本を読みました。

500ページ強の長編でしたが、約2週間かけてなんとか読破しました。

 

まず何と言っても、タイトルに惹かれましたね。

あと、普通は「売り文句」って、本の帯びに書いてあるじゃないですか。

「○○さんも推薦!」とか。

でもこの小説、大胆にも、表紙自体に小説の概要をドーンと載せていたんです。

 

▼以下、その内容。

連れ添って20年。

発覚した妻の巨額隠し財産。

続々と明らかになる家族のヒミツ。

爆発事故に端を発する化学メーカーの社内抗争。

俺はもう家族も会社も信じない

 

うーん、実に面白そう!

…ということで読み始めたわけです。

 

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すると、文中にうつ病エピソード」が出てきたんです。

その内容が、ウツを患う者にとっては、少々衝撃を受けるものだったのです。

 

▼その一文を引用させていただきます。

うつ病を癒すためには「人の渦の中で適度なストレスを引き受け、発症前に保持していた精神の耐性をいま一度取り戻す必要がある」

 

読書中、この文章のところで少々フリーズ。

そして、しばし逡巡…。

 

この文章に抗おうとする自分もいたんですが、あまりに正論すぎて、受け入れざるを得ませんでした

その通りだなぁって…。

僕の中では、「オリンピックの借りは、オリンピックでしか返せない」的な解釈をしました

 

でも、完全に受け止められない自分もいて…。

なんかモヤモヤしたんですよね。

なので、時間を少し置いて、このことについて再度考えてみたんです。

 

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整理した結果、小説の文章が、やはり的を射た言葉だったと再認識

モヤっとしたのも、自分のストレス耐性が低いという事実を突きつけられた気がしたからだと思います。

簡単に言えば、痛いところを付かれて、胸が「グググッ」ってなったんですよね。

 

そして、その後、また考えました。

確かに今は、ストレス耐性もあまりないし、社会の中で適度なストレスを受ける場(ストレス耐性を取り戻すトレーニングの場とでも言いましょうか…)にも、ほとんど出入りしていない。

むしろ、そういう場を避けている…。

無菌状態の方が、メンタル的には楽ですからね…。

 

ただ、

「オレは、そういうことでいいのだろうか?」

と、急に不安になってしまい、さらには、自分を責め始めてしまったんです。

 

あー、これじゃいけない。

自分いじめは良くない。

 

かろうじて、そう思い直せる自分がいたので、考えの軌道修正をすることにしました

確かに、現状はストレス耐性も弱まっているし、人の渦の中に入ってストレス耐性を取り戻すことができないでいる…。

 

けど、今の自分にやれることは十分やっているんじゃないか!って。

 

自分を慰めているだけかもしれないけど、少しずつ自分なりに、「今できること」には取り組んでいると思う。

だから、あんまり急がなくていいと思う。

ゆっくりゆっくり、できることを積み重ねていけばいいんだと思う。

カフェに行って注文するだけでも、「社会の中に戻っていこう」っていう意識はあるわけだし、そうやって行動していくことが何かにつながっていくんだと思う。

 

  • 「今できないこと」を考えて気に病んだり、自分を責めたりするのはやめよう!!
  • 「やれていること」にも、ちゃんと目を向けてあげよう!!
  • 日々の積み重ねが、やがて「できる」につながるはずだって信じよう!!

 

小説を読んで、「グググッ」ってなったこともしっかり受け止めたうえで、一歩ずつ進んでいこうと思ったのであります。 

 

…えーっと、なんかちょっと重たい感じの内容になってしまったので、この辺でうつ病エピソードに関する話はやめておきます(汗)

 

一億円のさようなら (文芸書)

一億円のさようなら (文芸書)

 

念のため申し添えると、この白石一文の「一億円のさようなら」は、うつ病の話がメインではありません。

うつ病の話はほんの一部分なので、そういう話が好きじゃない人も心配はいりません!

基本的には、お金とか家族とかのお話で、純粋に面白かったですよ。

 

ちなみに、お金絡みの小説で、僕が過去に読んで面白かったと思った作品は、佐藤正午の「身の上話」とか川村元気の「億男とかですかねぇ。

 

個人的に、お金に関しては、

「身の丈にあった生活を心がける」

が、ポリシーです。

 

そして、エンペラー吉田(知ってる人は同世代…笑)の、

「偉くなくとも正しく生きる」

が、僕の座右の銘です!(笑)